市で人口5万人のまちで500人が職を失う、どうなる市の財政。


女性従業員「ただただショック」、市長「雇用危機」…アツギ東北工場閉鎖に悲鳴
 ストッキング大手「アツギ」(神奈川県海老名市)の100%子会社「アツギ東北」が、青森県むつ市などの工場の閉鎖を発表してから一夜明けた21日、地元に…
(出典:読売新聞オンライン)


ストッキング大手「アツギ」(神奈川県海老名市)の100%子会社「アツギ東北」が、青森県むつ市などの工場の閉鎖を発表してから一夜明けた21日、地元には衝撃が広がった。500人以上の働き口を失う「市始まって以来の雇用危機」(宮下宗一郎市長)。支援策の検討が急がれるが、有効策は見通せない。

 アツギによると、21日は事業所内で従業員向けの説明を行ったという。朝、工場に出勤途中だった女性従業員は「ただただショック。今後のことはまだ考えられない」と不安げに語った。アツギの古川雅啓・執行役員管理統括は読売新聞の取材に「50年以上続いた工場を閉鎖するのは苦渋の決断で、地域経済への影響も小さくないと考えている。労働組合との協議を通じて対応を検討したい」と声を絞り出した。

 「アツギ東北むつ事業所」は、1965年に解散した「むつ製鉄」の代替企業として誘致され、66年に操業開始。アツギの国内生産の基幹工場で、従業員数は一時約1000人に達し、現在も500人以上が勤める。民間では、下北地域最大の雇用の場となっている。

 新型コロナウイルスの感染拡大はストッキング市場にも暗い影を落としている。外出自粛で需要が落ち込み、2021年3月期連結決算は3年連続の赤字で、21年9月中間決算も赤字幅が前年同期より拡大。むつ事業所は半世紀の歴史に幕を下ろさざるをえなくなった。

 むつ事業所では既に希望退職を募集しており、20年夏以降に約270人が離職。当時、市は支援金の支給や一部を市で採用するなどの救済措置を取った。ただ、今回の人員整理は2倍に迫る規模で、市の担当者は「人口5万人のまちで500人が職を失えば市だけで対応できるレベルではない。工場の閉鎖は想定しておらず、どう対処してよいかわからない」と悲鳴を上げる。地域経済への影響を緩和できるかは、不透明な情勢だ。

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