K－POPグループのBTS（防弾少年団）が6月、グループ活動中止を決断した。メンバーの兵役義務の期限が近づいていることが一因との見方が出ており、韓国では世界的なK－POPスターの兵役先送りや訓練期間の短縮に関する議論が再燃している。

BTSは兵役を免除されるべきか？
BTSは6月、ソロ活動への専念を発表。この突然の決断は、韓国における兵役義務についての議論を再燃させた。
韓国はポップカルチャーにおいて世界的なトレンドを作っている一方、数十年来の冷戦の脅威に直面している国でもある。
韓国において、兵役は議論の的。北朝鮮から国を守るため、18―28歳の健康な男性には最長21カ月間の兵役義務がある。
ただ、例外もある。
オリンピックのメダル獲得者や受賞歴のある音楽家は、兵役の先送りや短縮が認められている。
K－POPスターについても、2019年の法改正で30歳まで兵役延期が可能になった。さらに現在は、軍事訓練を3週間に短縮する改正案が議論されている。
特に、BTS最年長のジンにとっては差し迫った問題だ。29歳のジンは兵役を先送りしてきたが、その期限ももうすぐ切れる。30歳になれば、2年間は表舞台から姿を消すことになる。
3週間への短縮を提案した議員の尹相現氏によると、議会審議の結果を待つことはBTSのメンバーにとって大きなストレスになっており、グループ活動休止の主な理由だという。バンドは休養の理由として疲労を挙げている。
国防省は、ポップカルチャー系のアーティストを免除の対象とするには「公平性の観点から慎重な検討が必要」と警告している。
調査会社ギャラップが行った4月の世論調査によると、世界的に成功したK－POPスターの兵役を完全免除する法案について国民の60％近くが支持。33％が反対している。
ルールの変更を望んでいるのはK－POP業界だけではない。尹新政権は、コンピューターチップなどの技術者や研究者の一部について、兵役免除を検討している。