こんなマップが存在するなんて?それをビジネスにするなんて許せない!『新破産者マップが登場「削除してほしければ12万円払え」の悪質な恐喝ビジネス』


新破産者マップが登場「削除してほしければ12万円払え」の悪質な恐喝ビジネス
…「金融機関から借り入れた500万円が返済不能となり、5年前、自己破産しました。官報に名前が載るのは承知していましたが、まさかネットで自分の個人情報が…
(出典:NEWSポストセブン)


「金融機関から借り入れた500万円が返済不能となり、5年前、自己破産しました。官報に名前が載るのは承知していましたが、まさかネットで自分の個人情報が晒されるとは……」

そう話すのは、都内で内装業を営む40代男性。2018年12月、自己破産した人の氏名や住所をグーグルマップ上に表示する「自己破産マップ」がネット上に現われた。

 サイト運営者はマップについて「官報の情報は誰でも自由にアクセスできるもので、サイトでの公開は有益」などと主張したが、批判が相次ぎ2019年3月にサイトを閉鎖。

 ところが、その後も模倣サイトが出現。今年6月には、「新破産者マップ」の存在が確認された。2009~2019年の情報数十万件分が掲載されている。ITジャーナリスト・三上洋氏の話。

「今回のマップがこれまでの経緯を踏まえ作られたのは明らかです。より悪質なのは、『情報削除の対価』としてビットコインによる6万~12万円の支払いを求めていること。まさに“恐喝ビジネス”と言えますが、サイトのドメインがカナダで取得されたこと以外、現時点で運営者を辿る情報はありません」

 行政による停止命令が出ても、運営者や海外サーバーが応じるとは限らず、その間も情報は拡散され続ける。

 2018年開設のサイトを巡っては、マップに掲載された自己破産経験者3人が運営者を相手に、計33万円の損害賠償請求訴訟を起こしている。原告側代理人の望月宣武弁護士が語る。

「訴訟は今も続いており、この先も時間がかかる見込みです。官報掲載の公表情報といえども、破産経験は社会的評価を下げる事実であり、これをウェブで拡散することはその人の名誉を棄損しプライバシーを侵害する行為です。個人情報の観点からも問題がある。債務を抱える人が、法律で認められた破産手続きを躊躇し、再出発できなくなる事態も想定されます」

 前出の男性が憤る。

「前回の騒動では、高校生だった息子たちが学校でからかわれるなど、家族もつらい思いをした。新しいマップに私の名前はありませんでしたが、今も同じ地域で暮らしており、再び情報が載ってしまうのではないかと戦々恐々としています」

 自己破産者たちの眠れない日が続く──。

※週刊ポスト2022年7月8・15日号

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